生理前になると甘いものや塩ぽいものが欲しくなるのはなぜ

生理前になると炭水化物にアイス、ポテトチップスを無性に食べたくなる女性はたくさんいます。それはあるアミノ酸やホルモンが関係しているのです。

少しでも知っておくと生理前の偏った嗜好の原因がわかりスッキリします。
 

重要！トリプトファン

必須アミノ酸の一種であるトリプトファンからセロトニンが生成されます。

脳にトリプトファンをおくる仕組みは複雑ですが、いったん取り込まれると常にセロトニンの増加をひきおこします。セロトニン値が低いときに、脳にトリプトファンを送るにはインシュリンの増加が必要となります。脳内トリプトファン濃度が上昇し、トリプトファンから合成されるセロトニン濃度も上昇するのです。

インシュリンは、血糖値の不足を感じとり「血糖値の恒常性を維持せねば！」とその役目をはたそうとします。この欲求が砂糖やパスタ、パンなど炭水化物を食べたいという形であらわれているのです。
（炭水化物は、トリプトファンを送るための「運搬を活性化」さす役割があるのです。）

塩分が欲しくなるのはなぜ～セロトニン～

セロトニンが細胞内で活動するには、一定量のナトリウムが必要になります。

体内のナトリウムが少なすぎると、塩分を含んだものを欲求が強まります。これは多くのＰＭＳ女性が生理前にポテトチップスなどのスナック菓子を食べたくなることでもわかります。

ナトリウムが個々の細胞内でセロトニンの活動を保つため、ついしょっぱいものに手をだしてしまうのかもしれません。

トリプトファンを多く摂取できる食品

牛乳や、バナナ、ジャガイモ、チーズ、魚、卵黄、大豆など身近な食材から摂ることができます。

トリプトファンは必須アミノ酸なので、自分の体内ではつくりだされません。
毎日食物から摂取していきましょう。

セロトニン値の低い人の食事

イモ類や、卵白、マスタードなどはトリプトファンを多く含みます。他にチーズ、魚、カシューナッツ、大麦、カリフラワー、あさり、牡蠣などもトリプトファンに富んだ食品（トリプトファンからセロトニンが生成されることを忘れないでください）です。

セロトニン値が低い人は、食生活で増やすことができます。

ナイアシンアミド

トリプトファンはセロトニンだけでなく、「ナイアシンアミド」にも変わります。
トリプトファンの代謝を助けるために、ナイアシンアミドを補給する食事療法もよいです。

ナイアシンアミドがからだに十分あれば、より多くのトリプトファンがセロトニンに変わることができます。
また、睡眠を助ける働きもあります。

※ナイアシンアミド※
「ナイアシンアミド」は「ナイアシン」とは別の物質です。
ナイアシンには医師の指示に従い、処方されなければなりません。

セロトニンが低下しないために

セロトニン値が低下すると、脳からセロトニンを送るよう信号を出し、私たちは「炭水化物や砂糖」が必要なのだと解釈することがわかりました。

セロトニン値をあげるには、十分な光を浴びることです。

女性の多くが晴れた日には調子がよい（セロトニンの分泌量は晴れた日にもっとも高いレベルをしめす）ことをよく知っているはずです。

過食しすぎないようには、トリプトファンを多く含む食品を摂り、朝しっかり日の光を視覚にいれてセロトニンを促進させる日常生活をおくりましょう。