生理中の行為で妊娠することはあり得るのか

生理中なら妊娠しないから、避妊しないで性行為をしても大丈夫、と考えている人は要注意です。現実には、100％の避妊にはなり得ない上に、様々なリスクを伴う危険な行為です。

生理とは

生理とは、赤ちゃんのベッドの元となる子宮内膜が自然崩壊することで起こります。
これに対し、排卵日はその何日も前に終了していることが普通です。卵子も無く、子宮内膜も崩れているのだから妊娠するはずがないとつい考えてしまいがちなのは無理ないことかもしれません。

しかし、この生体リズムはちょっとしたことで崩れてしまいます。ストレスや不摂生によって生理周期が遅れることはよくありますし、排卵日も同様に日数が前後することなどいくらでも有り得ます。
繰り返しますが、生理中とはあくまで子宮内膜の崩壊なので、卵子の有無とは事実上無関係なのです。どちらかの現象が予定より前後しただけで、生理中の排卵も起こるということになります。

不衛生な性行為が不要なリスクを招く

この事実だけで、生理中の避妊しない性行為がどれだけリスクを伴うことかお分かりいただけるでしょう。完璧な避妊どころか、基礎体温と排卵日だけを計算して行なう避妊とほぼ同レベルです。

また、精子は体内に排出された後、しばらく子宮の中を泳いでいます。これは、より卵子と出会う確率を高めるために、運動量と寿命が長くなるようできているためですが、精子が死ぬ前に排卵日が始まることもあります。
一度子宮に潜り込んだ精子は簡単に洗い流せないために、日数を計算しても予定通りの避妊ができるとは限らないのです。

さらに、リスクは妊娠だけに留まりません。生理中に排出される血液は、雑菌の温床でもあります。とくに一度空気に触れた後には、感染症の危険が飛躍的に増大します。
その血液を介して自分が病気になる可能性はもちろん、男性を病気にしてしまうことすらあります。これは性病の有無とは関係なく、不衛生な性行為が不要なリスクを招くということです。

パートナーと話し合っておく

生理中に妊娠してしまうと、身体の準備が整っていないために妊娠そのものの安定性も保証はできません。逆子や、胎盤癒着など後々まで辛い思いをしなくてはならないかもしれません。

生理のときは、性行為そのものを避けるのが無難です。どうしても行なう場合は、男性側にコンドームを着用してもらいましょう。ペッサリーなど女性側の避妊対策は、経血の排出を阻害してしまうために良くありません。

男性は生理の仕組みや辛さを知らないために、生理中でも求めてくることがあるかもしれません。ですが、関係を良好に保つためにも、自分の身体のことをきちんと知っておいてもらうことは重要です。一度、パートナーと生理中の性行為について話し合っておきましょう。